2010年10月15日 北彩都あさひかわ 旭川駅開業
10日からのJR旭川駅新駅舎の供用開始を前に、JR北海道は9日夜から10日未明にかけ、高架化された新駅舎へ の線路切り替え工事を行った。 このため旭川発着の全路線が9日午後9時ごろから最終列車まで運休し、代行バスを 運行した。高架切替後の一番列車は10日午前5時20分旭川発札幌行きスーパーカムイ2号から運行を開始した。た った8時間くらいの時間で函館線、宗谷線、富良野線の切替をするのは大変な作業と思われた。
おまけに新駅舎までの仮通路を造らなければならいという工事もある。この仮通路は今まで使用していた旭川駅構内 の線路やホームを横断するという大技を行う工事である。素人考えでは今まで使用していた地下通路を少し改造すれ ば新駅舎にたどり着くのではないかと思ったが、実際には線路を横断する仮通路を東西2カ所に造ったようだ。
新しい旭川駅の全景
新駅舎の切替前日。まだ仮通路は旧駅舎を使用しているので設置されていません。
開業前夜、線路切替の様子(NHKのニュースより)
駅周辺で高架化される線路は計3.5キロ。新駅舎オープンを目前に控え、切替工事は午後9時ごろから始まり、JR 社員ら計約480人が3カ所(函館線、駅本屋、宗谷線)に分かれて作業を進めた。宗谷線の切り替えポイントとなる旭 川市宮下17の工事現場では、旧線路を約200メートルにわたって切断し、枕木も外して高架につながる新しい線路を 取り付けていった。なお、駅舎全体の完成は外壁をガラス張りとする工事などが残っており、駅舎の全面完成は来年秋 の予定という。
19:08発「オホーツク7号」が線路切替地点を通過している間にも、すでに工事が始まって いるようです。21時には線路閉鎖を行い。線路・架線の切替が夜通し行われました。
10月10日新駅開業
出発式 宗谷線普通列車が出発進行
8時間あまりで新駅までの仮通路を東西2カ所に設置しました。 外装工事は来年完成予定。全面ガラス張りの明るい駅舎になりそうです。
「北彩都あさひかわ」開発計画の道路。駅前広場が現在より2倍以上になるのがわかります。
新駅舎初見参
10日に開業した新しい駅を見物しようと翌日、旭川に向かった。いつものように新旭川駅まで自動車で移動し、新しい 旭川駅を往復した。列車から線路を見物していると、旧線との接合部は見事に切り替えられていて、高架上から旧線を 眺めながら5番線に入線した。
真新しい駅舎は地元の木材をふんだんに使用している関係からか、ホーム階から2階の乗り換えのコンコースに降り ると真新しい木の香りが漂い、とてもいい雰囲気です。また壁にはローマ字で記名された記念の名札がすだれのように 貼り付けてあり、自分の名前を発見して大喜びしている子供もいた。
新駅(1,080u)は札幌駅(1,100u)のミニ版といった感じで、よく似ています。しかし大きく異なるのは2階の乗り換えコ ンコースと1階の改札口が上下階に分かれているところである。従って高架型駅によく見られる2階がホーム階ではな く、ホームは3階にあるという珍しい駅となった。また駅舎が完成すると壁が総ガラス張りとなり、高い天井とともに、明る い駅舎になるようだ。
こんな立派な駅舎に一日の乗降客がたったの5千人ではちょっと大風呂敷(100億円)を広げ過ぎた感じがしないでも ない。「北彩都あさひかわ」計画の完成時には、新駅舎に見合った乗降客があることを願って帰路に着いた。
新・旭川駅構内図
いつもはガラガラの列車も今日は新しい駅と平和通りを中心とした「食べマルシェ」へ行く乗客で 満員状態であった。いつもこの位、乗車すればJRもホクホク顔なのだが・・・・・・・。
●3F ホーム階
ホーム幅は広くも狭くもなく、ちょうどよい広さである。長さは駅舎をはみ出すくらいあり、長大列車が停車しても十分な 長さがあるように思えた。ローカル線は1,2両編成なのであの長いホームのどの辺に停車するのか、待つところがわ からなく、ウロチョロするのがシャクである。いずれLCDの表示板に表示されると思うが、現在、停止位置のLCD表示 板は真っ暗のままであった。乗車位置を示す札をホームにぶら下げるより、すっきりとした感じである。
2番線に石北線の列車が入線 4番線に上りL特急が入線中
札幌行きL特急が出発していきます 木の枝を思わせる支柱。根本は冷たいけど
最後尾の横にあるLCDは乗降位置の案内板です ベンチ代わりに座ることができます。
線路は当然スラブ方式で枕木は木材にこだわったのか、茶色のコンクリート製です。 2Fのコンコースへは階段とエスカレータが並んでいます。階段幅は以前の半分以下になりました。
●2F 乗り換えコンコース
ホーム階からエスカレータで降りると乗り換えコンコースの広場になります。乗り場は1番から7番まであり、従来のホ ーム数と同じです。以前、富良野線のホームは遙か彼方にありましたが、新しい駅舎では1、2番ホームとして使用され ています。ただし、このホームのみ架線が張られていません。おそらく非電化の富良野線専用ホームとして使用するた めと思われます。
しかし、帰りの4番線名寄行きに乗ったら、富良野経由の快速が到着したのは3番線であった。乗り換えの都合で臨 機応変に変更するらしい。また5、6,7番線は特急専用のホームと思われます。感想としてはこの乗り換えコンコース は広く、案内も電光板で表示され、迷子になることは無さそうである。
新駅は旧駅と同じ1番から7番ホームまであるのだが、不思議だったのがホームの番号の付け方である。旧駅舎は平 和通りの繁華街から1番ホームが始まっていたが、新駅舎では忠別川の方から1番が始まっていた。国鉄時代は駅長 室が近いところから若い番号が始まっていたのだが、今回は全く逆の付け方をしていた。この原則に従うと、もしかして 駅長室は南側にあるのかなと思ったりしている。
案内表示も見やすく、とても広く感じた。 これだけ広いと普段は人を探すのが難しいかも知れない。 できれば売店の一つや二つは欲しい感じです。ベンチも欲しいかな。
エスカレータのみの乗降口もあります エレベータから降りるとこの通路があります
2Fコンコースから1F南コンコースを見る 1Fの改札口に向かう階段
●1F コンコース、改札口
改札口は東西に2カ所設置されたが、規模的にはそれほど大きくはない。それでも従来より改札口が多いので混雑す ることはないと思われる。
東口の切符売り場と改札機。いずれ中央改札口が設置されそうな気がします。 東西の改札口つなぐコンコース。南北に2カ所あります。 1Fにある軽食店とキヨスク。改札を通過したら売店をさがすのが大変になりそうです。 旧駅と比較すると売店が非常に少なくなってしまった感じで、これから売店が増えることを期待したい。 一番残念なのは、旧駅ホームにあった立ちそば屋がなくなったのは寂しい限りです。 この素晴らしい駅舎も見物客がいなくなると閑散な駅になって、もてあましてしまうかも知れません。
●仮通路
新駅舎までの仮通路は東西に1本ずつ設置されました。旧駅舎の取り壊しが終了するまでこの体制をとるのかは不 明であるが、いずれは線路、ホームの撤去に伴い、ルートは何回か変更されるに違いない。
現在ところ西側連絡通路が最短で、東側通路はしばらく線路上の通路を歩かされるため少し長めである。いずれにし ても旧駅舎のホームを3本も横切るため、乗車するときは少し時間に余裕を持って行かないと乗り遅れてしまうかも知 れない。
東側連絡通路。冬期間の除雪はどうするのかちょっと心配です。
ここに、このような看板は不要です 東側から西側通路を見る
東側通路は線路をしばらく歩き旧駅舎へ至る。結構長いです。 たった8時間でホームをぶち抜きました 数時間前まで使用していたとは思えないほどの荒れた線路です。奥に見えるのは東連絡通路。(左) おそらく西連絡通路がメインになりそうで、東側と比較して倍くらいの幅があります。(右) とにかく連絡通路は階段が多すぎです。小刻みに上がったり下がったりで大変です。 すべてホームの高さに揃えればいいのにと思うのだか・・・・。
西口の出入口はまだ未完成状態 高架の向こうに旧6,7番ホームの屋根が見えます
東口の出入口 西口の出入口へ向かう
平和通りはちょうど「食べマルシェ」開催中で駅前広場までテント村が続いていました。
旧駅舎はこれから撤去工事に入ります。西側連絡通路入口。
旧駅あちこち
旧駅となった10日までの駅舎はこれから取り壊し作業に入るが、今のところ、その作業はまだ行われていないようだ。 旧駅舎の一部は新駅舎の連絡通路として現在も使われており、取り壊しが本格化すると東西の仮通路も移動するに違 いない。
そこで旧駅舎の見納めとして、今まで撮ってあった写真の一部を掲載した。この駅舎は道内初の民衆駅として建てら れ、最盛期には地下にステーション・デパートや改札口などがあり、盛況だった時代もあった。
旧みどりの窓口と観光案内所は 仕切りを入れて中は空っぽ
旧待合室、商店街は 壁を張って通り抜けられなくなりました
旧改札口は 改札機は撤去され西改札口の出入口になりました
旧駅舎全景 三角のモニュメントはいつ頃設置したのか思い出せません。
新駅のどこかにおいて欲しい 駅前もガラリと変わると思われます
この駅前の広場も「北彩都あさひかわ」完成時には相当変わることでしょう 冬の1番ホームから2番ホームを望む
1番ホームに停車中のL特急カムイ 地下道階段は結構広かった
2番ホームから1番ホームを望む。間に貨物線用の線路が2本あります。 3番線ホームから4,5番線ホームを望む。線路をまたいでいるのは荷物運搬用の跨線橋です。 3番線から下り名寄行きが待機しています この頃になると線路上の草はどうでもいいやという感じです
新旧線路
新旧の線路の切換は旭川四条駅を出発して、まもなく90度右側にカーブします。そのカーブが始まるところで線路の 切換が行われました。旧線はこのカーブを曲がりながら高架から下りますが、新線はそのまま新しい高架を通過して新 しい駅舎に入線します。
写真の通り、この箇所はロングレールが使用されていて、すこぶる乗り心地は良さそうでした。これから旧線の後始末 に入りますが、土盛り部分の後片付けは大分時間がかかりそうです。
●旧線から新線を眺める
四条駅を出るとまもなく新旧線路の切換地点です 切換用のロングレールが置かれています
新線の敷設が盛んに行われています。上下線の間隔が開いているのは この間に引き上げ線が2本挟まっているためです。 線路上で作業している特殊ユンボ。このユンボは軌道も走れるという「軌陸車」
しばらく新線と平行して走りますが、切換後の跡地はどうするのかな?
高架橋は新駅に向かいます 高架の裏側にある富良野線の引き込み線
最後まで残った新成橋通りの陸橋 線路には草がボウボウと生えています
新駅の外装は後1年かけて行います
●新線から旧線を眺める
旭川駅への入線は線路をなじませるためか右端に行ったり、また内側の線路へ戻ったりして、ポイントの調子を見て いるようです。立っているとあっちにグラリ、こっちにグラリで、つり革に掴まっていないと転びそうでした。
新しい高架線を走り出しました 9日までこの陸橋の下を走っていました
旧線は次々と線路が外されていきます
新旧の線路が並んでいます 旧線にまたがっている架線柱はどうなるかな
高架上を颯爽と走る北永山発の貨物列車 宗谷線の一部が複線電化区間(旭川駅 - 北旭川駅 6.6km)があることはあまり知られていない。 ただし、旅客の営業はしていません。昔は電気機関車で貨物列車を牽引してましたが、 現在はディーゼル機関車のDF200が牽引しています。貨物ヤードの架線も撤去してしまいました。
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