2010年9月12日
ミニSLライブスチーム
 新聞に名寄市北国博物館主催の第22回特別展「名寄SLメモリアル展」(8月22日まで)開催され、その関連イベント
として、3日に「ミニSLパーク」が開かれたという報道があった。翌日も引き続きSLが走っているだろうと思って博物館
へ出かけたところ、博物館の前庭にある線路はすでに撤去され、期待のSLは博物館に展示されたままで、走行する気
配はないようであった。

 このミニSLは以前に見たことがあるが、いままで走行場面は見たことがないので、今回とても期待していたのだが、
博物館の受付に聞くと走行は9月3日限りの催しだったという。ガッカリ!。しかし、博物館の話によると近隣で催し物が
あれば走らすこともあるという。仕方がないので展示されていたSLの写真を撮って帰ることにした。


博物館前には高校時代通学していた名寄本線の一角にキロマキが展示されています。

名寄市北国博物館に展示されていたSL D51081

  
このSLは設計から制作まで全部自作ということに驚かさせられた。動輪は旭川の鋳物屋まで行って
鋳造してもらったという。おそらく作業所は工作機械で一杯なのだろう。
  
圧力計をみると常用圧力は7sで使用するらしい。動きは本物と全く同じ仕組みという。

下川うどん祭りで走っていたSL D51081

 名寄で展示してたSLを8月下旬に所用で下川へ出かけたついでに、下川うどん祭りを覗いてみたところ、祭り会場横
の空き地で見たことのあるSLがあった。ちょうどレールを敷き終わったところで、これからちびっ子たちを乗せて走るら
しい。まさかこんなに早くミニSLの走行シーンを見られるとは思わなかった。

 円形のレールの調整も終わり、ようやく缶に火を入れたが、蒸気圧が上がるまで30分はかかるという。それまでしば
らく待つことにした。しばらくすると安全弁から蒸気があがり始めたので汽笛を一発鳴らし、子供たちを乗せ元気よく走り
出した。比較的カーブがきついので所々で空回りをするのがご愛敬。

 走り振りは本物と見間違うほどの力強い走行である。運転は息子に任せて制作者もさぞかし自慢げで見ていたように
思えた。時々、息子に大声で何か指示しているようで微笑ましいシーンもあった。

 このSLについては新聞に次のような記事が載っていたので紹介しておきます。

コツコツ5年半 ミニSL完成 「子供たちを乗せて走らせたい」 名寄の電器店経営沢田さん
 名寄市内で電器店を経営する沢田稔さん(66)が、実際に石炭を燃やして、動くミニ蒸気機関車(SL)を完成させた。
実物の8.4分の1の大きさのD51で、各部品を手作りし、5年半がかりで仕上げた。沢田さんは「子供たちを乗せて走
らせたい」と笑顔を見せている。

 機関車の全長は154センチ。沢田さんは模型製作は素人だったが、2002年6月に北海道新聞の記事でミニSL製
作を趣味にしている元国鉄マンの大桃久一さん(86) =札幌市北区=を知り、そのひたむきさに感動。大桃さんの指
導を受けて同年10月から製作を始めた。

 自宅の作業場で、鉄工場から譲り受けた鉄棒や鉄板、銅板などを材料に、部品を実物の設計図に基づいて根気よく
加工。動輪は、自分で木製の鋳型を作り、鋳物工場に発注したあと、旋盤で削り込んだ。一番難しかったのは車体の左
右に四個ずつある動輪をつなぐ連結棒の製作。沢田さんは「いくら調整してもうまく作動せず、苦労しました」と振り返
る。

 ボイラーの燃焼試験は順調で、機関車に連結する客車と線路を作れば、数十人を乗せて走行も可能という。製作費
は約60万円。完成したミニSLは店内に展示しており、実物そっくりの精巧な出来栄えに、来店客らが目を見張ってい
る。沢田さんは「製作には非常に頭を使うので、老化防止にもなるので、2号車の製作にも取り組みたい」と話している。
 

この大きさになるととても2人でも持ち上げられません。クレーンを使用して線路に下ろしていた。

線路点検のため車両を手で押して一周します。
  
火入れ前には、あらかじめボイラーと炭水車に水を補給します
  
石炭を入れた後、ガスバーナーで着火させます。煙突には排出用のファンを取り付けています。
蒸気圧がある程度まで上がればドラフトが効き始めるのでファンを取り外します。
  
蒸気圧がなかなか上がりません。待ち遠しい時間です。

ミニSLが走り始めました。機材は後ろの軽トラックに乗せているようです。
  
右手は給水ポンプ、左手は調整弁と運転者さんは大忙しです。
停止はブレーキは滑って効かないので、足を使って停止するという。

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