10月21日(土) イスタンブール観光(一日目) 気温20度 晴れ

 本船はサントリーニ島を出航した後、キクラデス諸島を北上し、再びミコノス島の東側を通過してエーゲ海からダーダ
ネルス海峡に入る。さらに夜明け頃、マルマラ海を通過し、左舷側にはアジア、右舷側にはヨーロッパを見ながら昼過ぎ
ボスポラス海峡に入った。さすがこの海域は国際海峡だけあって行き交う船が多く、まるで瀬戸内海を航行してるよ
うな感じである。

  
11Fのリゾートデッキでフルーツを利用した各種の飾り物を作る実演が行われていた。
瞬く間に作り上げるテクニックにただ驚くばかりである。


中でもスイカで作った人物は見事な出来映えである。

 間もなくイスタンブール旧市街を左手に見ながら新市街にある船着き場へ静かに航行する。左舷側に金角湾、トプカ
プ宮殿、ブルーモスクのミナレット、アヤソフィア寺院のミナレットを見ながら、サントリーニ島から600q航海して無
事定刻より早く12時半頃、新市街にある港に到着した。港ではトルコ軍楽隊風の音楽隊が我々を迎えてくれた。

  
         アヤソフィア寺院                         ブルーモスク

         
            接岸後旧市街を望む               これから市内見学へ出発

 早速、我々は2時半からのオプションツアーに参加する。今回の参加者はたったの13名である。ほかの連中はシャト
ルバスでグランドバザールへ行ったらしい。明日は日曜なので今日しかバザールを見ることができないということも原因
らしい。

 我々は小型バスで市内観光へ出発する。最初に行ったところは軍事博物館ある。ここでは厳重なセキュリティチェック
があり、さすが軍の建物だと伺わせる。入場して以前から一度は聴きたいと思っていたトルコ軍楽隊の演奏を聴きに行
く。一部と二部に分かれ演奏が行われており、あいだに軍楽隊の歴史の映画が上映されたが、説明は英語なのでチン
プンカンプンであった。

 ここ軍事博物館では個人のビデオ、カメラの持ち込み料を取られたのにはビックリ。それもビデオ$10、カメラ$5も
取られてしまった。おまけに支払ったお金は彼らのポケットに仕舞い込んだのを見ると、もしかして彼らのボーナスになっ
ているのかな思ったりするのは考え過ぎか。

 初めてのトルコ軍楽隊の演奏は迫力があり、それは素晴らしいものであった。以前から行進曲の原点である演奏を聴
きたかったこともあり、念願が叶ったということで幸せ一杯であった。

 演奏を聴いていると往時のオスマン・トルコの隆盛を垣間見た感じである。その後、館内をガイドの説明を聞きながら
武器の陳列品を見て回る。

●トルコ軍楽隊

赤い服装を着ているのは合唱隊

   
   この軍楽隊の特徴的なチャルメラ風の楽器          見事な髭は付け髭だそうな


行進は3歩目に向きを変える独特な歩き方である。

   
   中庭にデンと据え付けられた巨砲                 銃口が私の頭を・・・・・・

 その後、ドルマパフチェ宮殿近くのカフェに寄り、ボスポラス海峡を眺めながら、チャイ(紅茶)とトルコ・コーヒーを楽し
む。コーヒーは小さいカップに砂糖入り粉入りの濃厚なコーヒーであった。紅茶も香りがよくとても美味しいものであった。

 小回りのきくバスなのでガラタ橋を渡り、旧市街を一巡する。グランドバザール付近の人並みは尋常ではなく、よくこ
れだけの人が集まるものだと感心させられた。川辺の連絡船乗り場横でいったん停車し、名物のサバサンドを食する
が、あまり美味しいものではなかった。とにかく生臭いのには参った。

 ガラダ橋では釣り人が鈴なりであったので、帰り道の途中でバスを橋の中央で止めて下車し、しばらく釣り人を見物。
小鯖などが結構釣れていた。驚いたのは道路の端とはいえバスを橋の中央に停車させるとは日本ではとうてい考えられ
ない情景である。

  
ドルマパフチェ宮殿近くのカフェに。ボスポラス海峡を眺めて紅茶とコーヒーを飲む

   
    対岸のアジア地区にあるウスクダラ市街       海峡では日本企業が海底トンネルを掘っています

  
   トルコ名物サバサンド          少し生臭くて残しました      おなじみケバブ(シシカバブ)

   
      対岸を結ぶ連絡船。人人・・・・・           金角湾に架かるガラタ橋には釣り人が一杯

 船に戻って夕食を摂ったが、いつものレストランはがら空き状態。皆さん街から戻っていないのか、プールサイドで行
われている「トルコ料理ビュッフェ」へ行ったと思われる。
   
プールサイドで行われた「トルコ料理ビュッフェ」

 この会場で8時からベリーダンスショーがあるというので行ってみたが、いつまで待っても開演する様子がない。待っ
ている途中で何か放送があったのを契機に椅子に座っていた人たちが、次々と席を立って行くのを見て初めて中止にな
ったことに気づいた。

 英語力の無さを思い知らされた場面であった。あとでその放送の内容を聞くとラマダン中に肌を見せるのはダメという
ことで中止になったという。それならはじめからスケジュールに入れるな!と言いたい気持ちであった。

 本船はニューポートに接岸したまま一夜を過ごし、明日の夕方、黒海へ向け出航する。停泊中の夜景は素晴らしく、ボ
スポラス海峡を挟んでヨーロッパ側あるトプカプ宮殿、ブルーモスク、アヤソフィア寺院などが見え、またアジア側に見え
るウスクダラの夜景は「ボスポラス海峡の真珠」と呼ばれるのにふさわしいものであった。


10月22日(日) イスタンブール観光(二日目) 気温21度 曇りのち雨


 今日はイスタンブールの一日観光へ出かける。主な見学場所はブルーモスク、地下宮殿、ガラタ塔、トプカプ宮殿
等である。
 
 最初に見学したのはスルタンアフメット・ジャミィ。別名ブルーモスクとも呼ばれ、中に入ると青みかかってるのでこの
ような名前が付いたというが、ステンドグラスを通した光が青く見えるということかも知れない。モスクの中は巨大で天井
が遙か上にある。また4本の柱も巨大で中に螺旋階段があるという。

   
   スルタンアフメット・ジャミィ(ブルーモスク)               アヤソフィア寺院

●ブルーモスク

   
    ステンドグラスは質素な形が多い            はるか上にある天井。建物の巨大さがわかる。

   
   一体何人の信者が入るのだろうか               模様一つが一人分。当然土足厳禁

      
      柱の中に螺旋階段があるという          女性信者は黒一色の衣装である

●地下宮殿


 次に地下宮殿へ歩いて移動する。本来は貯水池を造るため地下に巨大な地
下宮殿のようなものを秘密裏に造られたという。

 本来は柱が見えなくなるところまで水位があったが、現在は観光のため50p
足らずの水位しかない。池には魚が放流されおり、時折5、60pもあろうかと
思う鯉?を見ることができた。


  
 手振れの効果?幽玄な雰囲気      これが実際の雰囲気        目玉?に指を入れてグリグリ

  
  この模様はお守りらしい        メデューサの顔が縦、横、逆さまの形が柱の土台になっています
                        これらはギリシャ神殿から持ち運んできたという

      
        シルクロード起点の道標             スマートなトラムが走っています

●ガラタ塔

 午前中の最後はにとんがり帽子のガラタ塔へバスで移動し、塔の最上階までエレベーターと階段で登り市街地を眺め
る。見通しがよい日には遠くに黒海が見えるという。

 午前中はこの3箇所で見物を終了し、昼食を取りに中華料理店に行くが料理はイマイチということであまり美味しくなか
った。
      
       ガラタ塔は途中までエレベーターで上がり、途中から階段を上って最上階へ行きます

塔から見ると360度イスタンブールの市街地を見渡すことができます

  
イスタンブールのアパートはあまり高級な建物ではないように思われる

  
      バレンス水道橋                 旧市街地を取り巻く城壁の遺跡群

●トプカプ宮殿

 午後は城壁や水道橋などを車窓から眺めながらトプカプ宮殿に到着。このころになると次第に雨模様となり、雨に濡れ
ながらの観光となった。展示物の写真は撮ることができなかったが、宝物館の展示物は目を見張るものがあった。当時
のスルタンの強大な権力を見せつけられた感じである。とくに80カラットのダイアモンドは以前から是非見たいものだと
願っていたが、今回の旅行で見ることができたのは感激ものであった。現在のカット技術を取り入れればさらに光り輝く
のではないかと思った。

 帰りも雨が降り続いていたが、足の具合が悪いので、一足先に入場門で待つことにした。お母ちゃんと雑談していたら
一人の警備兵が寄ってきて「日本のどこから来たの」と流ちょうな日本語で問いかけてきた。顔を見るとハンサムな典型
的なトルコ人である。

 話を聞くと彼は現在、名古屋でトルコ料理店を家族で経営しているが、兵役のため本国で勤務しているという。トルコよ
り名古屋の方が好きだという。それならば「日本の国籍を取ったら」と尋ねると現在の日本の法律では永住権は取れて
も国籍の取得は難しいという。休暇が取れたので明日名古屋に帰るという。帰り際「小父さん。グループに会えなかった
ら援助するよ」と言ってくれたのは嬉しかった。

   
宝物館に入るためにはこのように20,30分待たなければならない


宮殿の中庭

   
宮殿外側には東洋風の離宮がありました

 ディナー中に本船は港を離れ、ボスフォラス海峡を北上して、黒海に入り、ルーマニアのコンスタンツァへ向け出航し
た。今回はトルコのほんのさわりしか観光していないので、いつの日か、もう一度訪ねたい国である。トルコは内陸にも
たくさんの観光場所もあり、また格安のパック旅行もあるので是非もう一度訪ねてみたいというのが感想である。

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