3月23日(月) 終日航海
一夜明けると昨日の荒天は大分静まった感じがするが、相変わらず海上は白波が立っており、本船は左右に大きく揺 れながら目的地へ向かって快走を続けている。
起きがけの一服はキャビンでの喫煙はアウトなので、わざわざ喫煙室まで足を運ばなければならないのが辛い。本船 では喫煙できる場所がほとんど無く、喫煙者には悪魔のような船である。いずれ近いうちに喫煙室もなくなるのは目に見 えている。その時は船旅を止めにしようかなと思ったりしている。(禁煙のチャンスなのだが、そうはいかないのが現実)
それでも喫煙室はソファや新聞、テレビなども備え付けられており、また窓も大きく開放的なので、ここでの一服は快適 である。顔見知りなると次第に喫煙者同士の社交場と化して、一本吸うのに何時間も話し込むオジンやオバンを見ると 何とも微笑ましい風景である。
話の内容はほとんどがクルーズの自慢話で、聞き手としては次第に食傷気味になってしまった。その話の中で日本船 を一度経験すると外国船には乗れないという。やはりスタッフや乗客が日本人であることが心強いらしい。もしかしたら 我々が昨年乗船した船は2千名の乗客の内、日本人はたったの15名という構成では到底、参加は無理なんだろうと思 ったりしている。
立派な喫煙室です。喫煙者を見ると圧倒的に女性が多いのには驚きました。
ダイニング入り口の人形は昨日の嵐で大きな音を立てて倒れました。その後、寝かせたままでしたが
今日は元気よく立っていました。口にくわえているのは紙煙草でですが、本来はパイプだったのを乗客
に盗まれてしまったそうです。悪いヤツがいるもんです。
朝食は至って簡素な食事で、これでは昼まで持ちません。洋食の方から二、三品を失敬する始末。 メインホールでオリエンテーションが行われ、引き続き避難訓練を実施しました。この救命胴衣は使い難いです。
★船内あちこち その1
エントランスロビー。3層の吹き抜けで中央にピアノがあり、天井には立派なシャンデリアが飾られています。
フロント オープンバー。ここでコーヒーを飲みます。 パソコンルーム
ピアノサロン ライティングルーム レセプションルーム
★ブリッジ見学
14時半からブリッジを開放するということで、早速、見学しに行ってきた。今まではセキュリティの関係からまずブリッジ を見学ができるのはまず不可能と思われたが、昨年乗船した「ダイヤモンドプリンセス」に引き続いて二度目の見学であ る。ラッキー!
やはり11万トンクラスの前回の船と比較するとブリッジの広さは相当狭く感じられた。見学したとき気がついたのだが、 当直は一人だけで、何とも心許ない状況である。前回の船では前方、左右に一人ずつ船員が見張っていたのだが・・・。
ブリッジから前方を望む 本船にも潜望鏡らしきものがありました。これは磁気コンパスが自差と呼ばれる誤差が出るのをできるだけ 避けるように、外部に設置してあるので、これを覗く為のスコープですとの説明を受けました。
操舵パネル。操舵輪はまるで飛行機のようです エンジン関係の操作盤
サイドスラスターの操作盤 気象関係のプリンター。今時ドット式とは
ズラリと並んだスイッチ盤。 レーダーパネルと海図テーブル
プールには一度も水が入りませんでした。ジャグジーはOKでしたが、誰も入ってるのを見ません。 気温が上がらないのと揺れのため、日光浴をしている人はほんの二三人だけという寂しさでした。
★キャプテンズウエルカムパーティ
今夕は今航海、唯一のインフォーマルである。これに合わせて「キャプテンズウエルカムパーティ」がメインラウンジ で開催された。夕食前、我々もパーティに参加したが、バンド演奏の後、船長から各スタッフの紹介があり、30分程度で お開きとなる。
パーティは2班に分かれて行われたため、会場それほど混んでいなかった。
司会者 キャプテン 船医
紹介されたスタッフは全員日本人であるが、乗組員のほとんどがフィリッピン人。 その他に東欧諸国からの乗組員もおりました。
★鳥島通過
ディナーに入る直前に鳥島が目前に迫ってきました。予定では島を一周する予定でしたが、昨晩の嵐で風を避けるた め、島影づたいに航路をとったという。このため予定より時間が掛かり、島の周遊は帰路に実施すると放送していた。
それでも本船は鳥島の相当近くを通過したようで、溶岩流の跡などを見ることができた。帰路では孀婦岩と鳥島の周 遊を計画しているという。
鳥島全景 気象庁鳥島気象観測所跡地
山頂には気象観測のレーダーが残っています 1902年の大噴火による溶岩流跡
★インフォーマルのディナーは洋食のフルコース
フォーマルではないのでジャケットにネクタイ程度の服装です。 本日のメインは「特選牛フィレ肉のロースト、プラム入りマディラソース」 いずれの料理も結構美味しく頂きました。スプーンの置き方で紅茶、コーヒーが区別されます。(右)
今日のエンターテインメントは「ソプラノ、メゾソプラノ デュオコンサート 〜春の風に乗せて〜」
定期船の「おがさわら丸」に乗船すればとっくに二見港へ到着している時間(25時間)であるが、本船はもう一晩かけ て父島へ向っている。船旅と父島観光を兼ねているのだからしようがない。しかし昨日からの荒天続きでは早く港に入っ て貰いたいものです。乗客の中には揺れ続ける本船に嫌気をさしたのか、本船が二見港で一泊する間、島内のホテル を予約したという人もおりました。港内であればまず揺れることはないのにな、と思いつつ眠りにつきました。
前ページへ 次ページへ
|