9月28日(月) チベタベッキア 27度 晴れ

 朝起きると本船はすでにチベッタベッキアの港外へ夜明け前に到着していた。チベタベッキアは紀元前2世紀にロ
ーマ帝国のトラヤンヌ帝によって開かれた街で、チベタベッキアとは「古い街」という意味を持つ。現在はイタリアの
メインボート、ディニア島の連絡港として、また首都ローマから西北西に約80キロの距離にあるため、ローマからの海
の玄関として栄えている。また、この港は日本との関わりが深い街で、1615年に市倉常長が慶長遺欧使節団を率
いて日本人として始めて上陸した港がチベッタベッキアだといわれている。
今回の航海もいよいよ後半に入りました

 本船は7時入港予定ということで6時半にはチベタベッキアの港外に到着したが、どうしたわけか本船は港に入る
直前に停船してしまった。どうしてかなと思ったら、先行していたクルーズ船がまだ接岸していないため順番待ちの停
船であることがわかった。この時間は本船を含めて5隻のクルーズ船がひきしめ合っている状態で、結局、30分遅
れで接岸した。タラップが架けられると待っていましたとばかり、続々と船客がギャングウエイから下船し、街へ繰り
出して行くのを朝食をとりながら見物。

  
    日の出前に到着したが、なぜか停船            前も後ろも入港する船で大混雑です

すでに本船より先に5,6隻接岸していました
  
セレブリティのサミット
  
     サミットからも本船を眺めています             軍用のローロー(RORO)船は珍しい
  
船首に特徴のあるP&O社のルビー・プリンセス
  
久し振りにテント張りのターミナルが見えてきた。
以前のクルーズでバックをここのターミナルで壊されたことを思い出した。
  
接岸すると直ちにタラップが引き出され下船の準備に入る。
  
 三々五々にバス停に向かいシャトルバスに乗ります  港のゲートは椰子木の横にある小さな出入口
 が、一体、どこへ行くのでしょうか。             ひとつなので、5隻分の船客が殺到していた

 我々も9時過ぎには下船し、シャトルバスで港の入り口まで送ってもらう。その後、街をブラブラ歩き始めて、最初に
チベタベッキア駅へ向かう。ここではローマ行きの列車が頻繁に出ているようで、駅は人でごった返していた。OPで
ローマ観光がありましたが、すでに2006年「エーゲ海・黒海クルーズ17日間」で見物しているので今回は
パスした。

 次いで、駅から見えた「CHIESA DEI SANTI MARTIRI GIAPPONESI教会」へ向かう。この教会は日本聖人殉教者
教会と知られている。その後、マリア教会、大聖堂を見て回り、最後に考古学博物館に向かったが、残念ながら今
日は開館していなかった。

  
港の向かい側には幅の広い緑地帯があり、休憩にはもってこいの場所です

●チベタベッキア駅
  
      駅はそれほど大きくはなかった              チョロQを思わせる寸詰まりのバス
  
         構内は人で一杯                  総じて欧州の掲示の文字が小さいです
  
乗り場はたくさんあるのだが、列車はあまり多くないようだ

ヨーロッパの機関車はいつも列車の先頭に連結しているわけでなく引いたり、押したりして
列車を運行しております。従って最後部の客車には遠隔操作の運転席があります。
イタリアのこのような機関車を見ると映画「鉄道員」を思うのはやはり歳のせいかもしれません(笑)
  
押したり引いたりするためか、ねじ式の時代に使用されていた緩衝器が未だに着いています。
しかし電車式の密着型連結器で長い客車を牽引するとは驚きです。
  
 この列車はテールランプが点いているのでこれから   乗り遅れたおばさんが列車を見送っています。
 押してローマへ向かいます。空気を抜いていました。     この車両は運転席付きの客車です。
  
    DD51によく似たディーゼル機関車        ホームが低いためか線路を渡る輩がいるようです

教会の帰りは海岸通りを歩いて帰りました。散歩道としてはとても気持ちのよい道路です。

日産の自動車になんと日本語が書かれているのを発見。
どう見ても現地の人が書いた文字です。「花は桜木」の「木」は不要と思います。
  
    ここでもミニトレインが走っていました       こんな車が公道を走行できるのかはわかりません

●日本聖殉教者教会(La Chiesa Dei Santissimi Martiri Giappones)
 1597年に長崎で殉教した日本26聖人を記念して1862年に建設された。教会の内部には1951年から1954
年にかけて日本人画家の長谷川路可により描かれたフレスコ画があり、その中の聖母マリアおよびイエス・キリスト
が安土桃山時代の着物を着た姿で描かれている。


教会前の銅像はペトロ・バウチスタ神父?
  
教会内部は日本人画家の長谷川路可により描かれたフレスコ画がたくさんあります

●大聖堂
  
  高い尖塔がある訳でないのでちょっと捜しづらい        博物館はお休みでした。残念!
  
大聖堂の内部。ステンドグラスがとてもきれいでした。
  
教会は日本の寺院巡りと同じで、みんな同じように見えてきます。
  
上から見ると四角形の四隅にコブが付いたような城塞?中では何か商売をしているようでした。

 大聖堂を見物したあとは、ショッピング街を見て回わり、13時過ぎに本船に戻る。午後からはドル稼ぎに船内を歩
き回り、「ボールゲーム」と「フットボール投げ」に参加し、10ドル稼いだ。夕方、ディナー前に友人が街でやたら安
く買ってきたワインで10人の仲間が集まり酒盛りとなる。

 本船は定刻21時よりも早く20:40にチベタベッキア港を離れ、次の寄港地ギリシャのカタコロンに向かう。カタコ
ロンまでは605マイル離れているので久し振りに明日は終日航海となる。

  
 できるだけピンそばに投げると勝ち。当てると失格       フラフープの輪を通り抜ければ成功

近くの島に行くフェリーが多数停泊しています
  
本船はセレブリティのソルステスとルビープリンセスの間に停泊しています。
  
スカイデッキある羅針盤。誰でも覗くことができます。赤緑の鉄球は微妙に位置を修正しています。
  
スカイデッキのアンテナ群
         チベタベッキアの出港は21時となっています。          ペンキのつもりかなー?

9月29日(火) 終日航海 24度 晴れ

 今日は5時半に目が覚めたが、外はまだ真っ暗闇。テレビのキャプテンログを見ていたら時差の調整があったよう
だ。あわてて時計の修正をする。今日は終日航海なので、次々とスケジュールが入り、部屋に帰って落ち着いたの
はすでに午後4時を回っていた。

 まず、8:30から甲板を3周する「1マイル歩こう」、9:30から「果物と野菜のアート」を見物、10時から「下船説
明会」、11:30から「Wiiのゲーム機によるボーリング」、その後、すぐにストロムボリ島の活火山を見物し、見
終わった後、昼食もほどほどに13;00から「フリスビーゴルフ」にチャレンジする。

 14:30から「クレイジーゴルフ」に参加した後にメッシーナ海峡の通過を見物。メッシーナ海峡通過中の15:30
から「バスケットボール」の玉入れをして、ようやく本日のスケジュールを終了。なんともはや忙しい一日でした。今
日はドル稼ぎのゲームが5回もあったのでなんと稼いだドルは29枚もゲットした。

 今日のディナーは4回目のフォーマルで、これが今航海の最後のフォーマルになるのでやれやれといったところ。
明日はギリシャのカタコロンへは午前8時入港予定。
今日も海上はベタナギ状態で一路カタコロンへ向け航行中
●素晴らしい日の出

日の出直前のきれいな薄明(ちょっと遅すぎですが)
  
太陽が水平線から昇り始めるのをウットリと見とれておりました


●果物と野菜のアートの実演
  
ロイヤルカビリアンの方が数段上をいくようです
  
     下船説明会会場のハドソンルーム            ただいまエレベーターの修理中

 下船説明会の後、船客の中に船のオタクがいて「船の知識」の講演があった。この御仁は船の知識は確かに多く
持っているようだったが、話の中で素人?でもわかるような間違いがあった。そういえばブリッジ見学の時にも本船に
は舵がないと得意げに説明していたのを思い出した。あのときは本人をオフィサーに会わせて舵があることを確認さ
せて納得させたことを思い出した。

●スターボード(右舷)とポート(左舷)の由来
 右舷、左舷を英語でスターボード(サイド)、ポート(サイド)というが、その由来について間違って説明していた。
それはスティアボード(steer-board)をリーボード(lee-boardと完全に勘違いしているようでした。白板に絵入りでリ
ーボードの説明していた。ちなみにリーボードとはセンターキールの代わりにリーボードと呼ばれる左右に付いた羽
のような板がヨットや帆船の横流れを防ぎ、直進性を持たせるための板で浅瀬の多いオランダ船特有のものです。
左右に付けられた板であれば右舷のみをスターボードと言うのはおかしい。

 スターボードの由来はエジプト時代は舵取りオールを左右の各舷に備えていたが、バイキング船では、それが右舷
のみになった。12世紀に入るとオールから板スティアボードに変わってからも、舵は右舷船尾寄りに備えるようにな
った。その結果、舵を取り付けた右舷側をスティアボードといった。その後、訛ってスターボードに変化したという。

 このような船が接岸するときスターボード側で接岸にすると、操船の邪魔(舵板が岸壁にぶつかる)になるので、必
ず左舷側で接岸した。そこで左舷をポートサイドというのが正解。ポートサイドの呼び名も、以前はラーボート(lar-
board)「積荷をする舷」と呼ばれていたが、これをポートに変えたのは英国と米国の海軍であった。理由は、スターボ
ードとラーボードが発音上まぎらわしく、取り違えてしばしば事故の原因になったためとか。

 この左舷を港側というこの伝統的な考え方は、そのまま現代の航空機にも引き継がれ、旅客機をシップと呼んだ
り、乗降口はポートサイドである左側にあることはよく知られている。

トロンボリ島活火山見物
 本船は活火山見物のため、コースを変更して島を半周しました。ストロンボリ島 (Isola di Stromboli) は、地中海の
ティレニア海エオリエ諸島に属する島で、この島のストロンボリという意味は間欠的に激しい噴火をするということで
地質学の噴火の種類名にこの島の名前が使われているという有名な活火山です。

 この島の特徴は活火山が海底から突き出た形になっている島で、400人近くの住民が生活している。海面下の山
体は2000mにも達する。溶岩を火口周辺に吹き上げる噴火が特徴で、その光景は夜になると、とくに壮観で「地中
海の灯台」とも呼ばれている。なおこの島が属するエオリア諸島は世界遺産に登録されています。


本船はストロンボリ島の火山活動を見るためわざわざ島を半周しました。
  
昼間でも赤い溶岩が噴き上げるのを見ることができました
  
麓では多数の住居もあり、日本の伊豆諸島と同じような感じです。
  
  プールサイドではバーゲンセールが始まりました        何回かお世話になった洗濯機
  
本船には素晴らしい絵があちこちに掲げられています。
●ゲーム大会
  
     Wiiのゲーム機でボーリング大会           客室の廊下まで使用したフリスビーゴルフ
  
          クレージーゴルフ               今日のダムドルの稼ぎは29枚をゲット
本船はこの時間にストボントリ島を通過してメッシーナ海峡にさしかかりました

●メッシーナ海峡通過
 メッシーナ海峡はシチリア島とイタリア本土の間にある海峡である。海峡の西はティレニア海、東はイオニア海であ
る。いちばん狭い箇所は約3kmで、位置は北緯38°00' から 38°20' まで東経 15°30' から 15°40' までをいう。

 イタリア本土とシチリア側のメッシーナ間には、鉄道連絡船と水中翼船が頻繁に行き交っている。またメッシーナ海
峡をまたいで本土とシチリア島をつなぐ吊橋のメッシーナ海峡大橋の建造が予定されていたが、予算などの問題で
計画は一度、頓挫した。しかし、2009年に計画は復活され、2016年までの完成を目指しているという。

  
いよいよこれからメッシーナ海峡を通過します。
  
今日は船首甲板が開放されて、皆さん海峡通過を満悦されています。

6FのVARANDAH DECKも鈴なりの人で一杯です。
  
最短距離は3qで送電線が張られていますので、橋を架けるのも可能でしょう。

随分と低い土地に人家が密集していました。嵐が来たら水浸しになるかも知れません。
  
行き交う船が結構多いようです。

海峡を抜けて一路ギリシャのカタコロンへ向かう。

●最後のフォーマルディナー
  
本航海4回目のフォーマルディナー
本日の料理は美味しく頂きました
これはアシカかトドかといったところかな

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